不安編 Ⅶ

不安は神経症の基本的な症状で、不安をともなわない神経症はないといっても過言ではありません。
ですから神経症は身体的な異常が原因になっているわけではなく、あくまでも心因によって生じる病と言えます。
心因とは心理的要因、社会的な環境要因が心の不調である精神的な疾患の原因になっているという意味です。
(*心理的要因≒自己矛盾や不本意な対人関係などによる心理的圧迫や軋轢など)
(*社会的な環境要因≒仕事や学業を進めていく上での無用のストレスや理不尽な要求、関わりなど)
神経症の不安は、健康者の不安と本質的な差があるわけではありません。
健康者の不安は何が不安なのかとなぜ不安なのかは本人がわかっているため、原因を除去したり原因を不問にしたりすることで原因が原因でなくなってしまいます。
わかりやすく言えば健康体(脳を含め)であれば自ら除去できたり不問にしたりすることもできるということです。
いっぽう神経症の不安は、原因や理由がはっきり特定できず周り全部と言えば言えるし、どいつもこいつもと思えばどいつもこいつもになってしまうし…いずれにしてもはっきりした原因や理由を特定できないことが問題を複雑にしていきます。
その結果、周囲からも本人が大きな不安を抱えていることは理解されにくく、気のせいとか 気にしすぎとかそんなに気にしなくてもいいんじゃない…などと悪意なき意地悪に苦しむこともすくなくありません。
ー 次回は神経症の種類・分類を紹介させていただきます(たぶん)