県立高校の入試が何か変?

今年から、唐突に(周知期間もなく・変更移行期間もなかったから、印象だけでなく客観的事実として 唐突にと言って良いほど「急に」)、県立高校の推薦入試の制度が変わりました
推薦入試の前から本室への相談はポツポツポツとありましたが 試験の当日、そしてその翌日から、中学3年生の生徒さんやその保護者の方々からの相談申し込みが急増しています
本室は予約制のため急な相談には 時間外で対応するしかないのですが 電話でのご相談も含めると無茶苦茶です
そして なかでも一番多いのが 宮崎市内の普通科系を受験した生徒さんからの不信感に充ち満ちた主訴になっています


彼らの声をそのまま紹介しますね

「先生 自己推薦って 結局なに?」

「筆記試験 あんな基本的な問題だと誰でもできるけど・・・???」

「自己推薦書の文章を読み込むだけの時間が高校にあったのかなぁ???」
「高校の先生はそこまで暇じゃないよね(1つ前の子と同一人物)」

「結局 生徒会とか部活動とか? ボランティアとか、海外留学とかだとすると中学校の教育とは別の経験だよね?(確かに部活動も教育課程外 長期の留学とか海外生活があるとかも 個人的な要素ではあるけど中学校の教育課程とは別の要素ではあるね・・・)」

「自己推薦だから、中学校の先生には伝えていない自分の経験や体験を出してきたとしたらさぁ それがたとえその子の作文だったとしても それが高い評価を得ることできる内容だとしたら それも合否に反映されるの?(そこら辺は迎え入れる側も送り出す側も 特に進学目的の普通科系が実態というところでは どっちも整理されてないんじゃないの)」


「俺の姉ちゃんが行ってる高校を受けるんだけど 姉ちゃんは『先生達は大量の課題を出すことと大学受験の話しかしない』っていつもぼやいてるのに 成績以外の何をみるのかな? 人物? 人物像が推薦書からわかるの? だとしたら そこで落とされたとしたらおれ、傷つくよなぁ~・・・でも受かっても それはそれで嫌かも・・・(彼の複雑な気持ちよくわかります)」


「普通科なんだから 筆記の問題くらい 真面目に出してほしかった  おまえ勉強はできてたけど 中学校で 特段これといったことを経験してきてないないから不合格って言われるんなら それなら自分は推薦には値しないんだなって 一般入試に向かえると思うけど あんな平凡な基本的な試験問題で落とされたら納得がいかない だったら 最初から筆記無しにすればいいじゃんね!(結構なお怒りでしたが 全く同感・同情します)」

まあ 出るわ 出るわ 真面目に中学校生活を送っていたんだよね~って思える子たちからは 不審なのか 不信なのか とにかく そんな負の感情に充ち満ちた発言が たくさん聞かれた1週間になっています

中には
「私は 自己推薦できることなんてないって思っていたから一般だけで行くつもりでいたのに 中学校の進路面談で 『本当に出さないの?みんな出すのよ』みたいに言われてさ 親も『出すだけ出してみたらぁ』って言うし それで無理矢理自分の推薦書的なものを書いたんだけど 筆記試験の途中で泣きたくなってさ  だって この問題じゃあ~みんなできるはず スポーツや文化ですごい成績の子や英語が話せるとか たくさんボランティア活動をしてきた子とかが通るための試験だったんだ~って思うと 試験中なのに自分の推薦文が浮かんできて 恥ずかしくて恥ずかしくて泣きたくなった  なんでわざわざそんな屈辱的な気持ちになるために 自己推薦書なんて書いたんだろう  もう 〇〇高校の〇〇科は受けない こんな学校行きたくない!  かといってさ 私立の特進科の専願は終わってるし 併願では通ってるけど特待じゃないし お金かかるし わたしどうしたらいい?」って泣きながら話してきた女の子もいました

みんなの声を代表しているような心の叫びでした

ここからは彼らの声ではなく あくまでわたくしのきわめて個人的な意見なのですが 今年の中学3年生は 入学時に 本県の高校入試制度が自己推薦制度に変わるってことは 知らされていませんよね
つまり 彼らは そんなことは知らずに 中学校の2年間+夏までの数ヶ月を過ごしていたわけです

それは 中学校の先生たちにしても 同じだと思います

もちろん 自己推薦制度になるからといって 急に教育課程を見直したり教育内容を変えたりすることはないと思います

それは 宮崎県の県立高校の入学者選抜方法に合わせて 教育が展開されているわけではないからです
あくまでも 文科省が示す初等・中等教育の目的に即して、それはおこなわれるべきものだからです
中学校の先生方は 国の示す教育指針に則って 粛々と中学校の教育を実践されてるに過ぎません
しかし 義務教育から高等教育に移るときの入学選抜の方法がここまで大転換をし
多い学校では定員の半分を新制度で取るということになったわけですから 中学3年生にどれほどの精神的混乱を引き起こすことになるかというのは全く別の問題です

それなのに 彼らにもわかるよう 丁寧で親切な説明がなされる そんな時間は 果たして確保されていたのでしょうか 
私の実感としては 甚だ疑問 です

特に普通科系の高校・・・大学進学を前提とした教育課程が組まれている高校については この自己推薦制度で いったい何を重視して合格者を決定するのか? 
公教育(そのほとんどが税金で運営されている高校)県立の高校であるだけに わかりやすく丁寧な説明が また 説明の時間が 必要だったのではないかと 思います

説明はしてある 文書でも出したというなら 時間はどうですか 3年前から変革の理念について 具体的な説明はなされていましたか
私が 聞いたのは 昨年度末で退職された元教職員の方から昨年3月にお聞きしたのが最初でしたけど・・・ それも
「この4月に3年生になる生徒達から新制度適応だって はどう考えても早すぎるよな? あだっさん どう思う?」でした(一言一句そのまま再現すると そんなでしたけど。。。)

来談者の声を聞けば聞くほど 彼ら精神的な混乱が伝わって来ます

心的ストレスが伝わって来ます
推薦の発表が怖い そのあと自分はどんな感覚になるのだろう それが怖い と話していた子がいます

大学進学を前提とした普通科系の高校の中には 定員の15%~20%だけを自己推薦で取るというところがありました
78名の志願者から16名とか 44名の志願者から8名とか 相当な倍率です
だからこその学習学力の試験だったはずなのに 中学生の率直な感想だと思います

「自分のどこが合格に値しなかったのか」を 物心がついて12年ほどの子どもたちは 何をどう受け止めればいいのでしょう その心的ストレスに対しては 高校側には どんな説明が準備されているのでしょうか 
そこがあきらかにされない限り 彼らの不信感への適切な答えは 絶対に見つからないと 私は 感じてしまいます

本室みたいな マイナーで私的な相談室に ここまで いろんな気持ちを抱えた子たちが こんなに大勢出てしまったことが 私を含め 本室スタッフの気持ちを重~くしています

来週以降も 中学3年生の来談が予定されています


学習学力と人間としてのバランス力をメインに 未来を切り開こうとしている子どもたちへの「こころの応援」に専念していきたいと思います
そして 15歳~18歳を どう過ごし何を学ぶかは どこで学ぶかよりも遥かに重いことであることを 彼らにもわかるように伝えていこうと思います

毎年 この時期は 高校3年生や浪人生のカウンセリングで埋まっているのですが
今年からは 新たな「主訴」での来談者のシーズンになりそうです


やっぱり 何か 変ですよね 今年 大転換した県立高校入試制度。。。


変更を強く主張した大人のみなさんの真のねらいは どこにあったのかなぁぁあ?