脳がわかれば やさしくなれる その5

その後のカウンセリングも 順調で
脳科学にも強い関心を示され 自分理解については 彼女のペースなりに 積極的でした

機能的なバランスで 感覚の過敏性が生じることと同時に 神経伝達物質のバランスが ざわつくことによって 緊張感が増したり不安感が強まったりと その人の情動レベルに強弱が出ることを 具体的に伝えていきました
おかげで 高校1年生でも 十分理解できることを 彼女は証明してくれました

主に Dopamine・Noradrenaline・Serotoninの3つの物質 そのバランスが変化することでもたらされる情動の変化について 話していったのですが
ここまでくると 自分の我慢や努力 精神統一みたいな レベルでは どうにも変えられない 自分の特性として そのまま素直に 先入観も偏見も持たずに 肯定的に 受け入れることをしてくれました

彼女の自尊心が回復していった瞬間だったと思います

Evidenceを きちんと示すことができれば
無意味に 自信を喪失する必要はないし 自分ばかりを責める必要もなくなると いうことだと思います

少なくとも 彼女の1回目の来室が早かったし 中学校まで 生活面・学習面ともに 優秀だったことが 打ち壊される前に 話せたことが大きかったと思います
これが 無理して または 強制的に 登校・入室を迫られ ご本人の芯の部分が ズタズタにされた後だったとしたら Evidenceを示すだけのカウンセリングでは 何も届かない 響かなかったと思います
そうなると 神経伝達物質のバランスを回復するのに 時間だけでなく おくすりの 助けが必要になっていたかもしれません

自尊心を踏みつぶしてまでも大切な登校や入室って ないと考えてます

不登校と登校拒否を ごちゃまぜにして 一律 「取りあえず登校させてください!」は 無知が生み出す悪です(言い切りますか? 「はい 断定です」)

話を戻します

自尊心が回復していった彼女は 本室からの提案を そのまま受入れ
同級生の数が少なく 自分のペースで 大好きな勉強が 安心してできる学校
☆☆さんにとって「適した環境が準備できる学校」へと 6月の中旬には 転校しました

今も 月1回のペースで 来談が続いています
将来 絶対に必要となるであろう ご自分のトリセツを 少しでも 作っておきたいというのが 来談の目的です
ただし 最近は 私からの提案の前に
「自分はこう思うけど・・・どうかな? 先生!」と ニコニコしながら 話してきます

適した環境や条件が 準備されてれば 学校がこわい 教室に入れない という症状は 相当数減らせると思います

難しいのは 義務教育の場ですよね

彼女は 高校生の初日、二日目での発症したから また 本室とのファーストコンタクトも 高校の先生方のおかげで 早かったですから 早期の回復を可能にできたと思います

その点 小学校や中学校は とても難しいと思います
あらかじめ決められている校区にしたがって 通学することになるので 基本的には 学校の規模や校風から選ぶことなんて できないですものね
だからこそ 個人、個人に合わせるということが できない できてはいないんだ ということを 全ての先生方が 強く意識していただくこと が 大切なるよな って 私は 思います


(あとがき1)
今回のシリーズは ☆☆さんの了解を得てと申しますか 彼女の進言もあって 書かせていただきました
ということを あとがき1としてわざわざ書きましたのは その2をアップした翌日
あるところから「個人情報が なんのかんの・・・」とか 「守秘義務が どうのこうの・・・」とか 「相談室のくせに 個人が特定されるのが なんちゃらかんちゃら・・・」とかいう 激しいお叱りの電話が 入ったからでございます

(あとがき2)
いくらなんでも そんなことくらい 知ってるわ 〇ァ~〇!と返そうかとも思ったのですが
それではあまりに大人げないので これは ご本人の了解を得て 書かせていただいたものですと申しましたら
「嘘をつくな!」と言われました(正確には 怒鳴られました)

(あとがき3)
今朝 ☆☆さんに この話をしたら「そんなに 先生のことが嫌いなら 読まなきゃいいのにね!」って言ってくれました
本当に やさしい返しをしてくれる人だなぁ~って つくづく 思いました